ベネズエラのマドゥロ大統領(10月31日)=ロイター

【サンパウロ=時事】ベネズエラ国防省は11日、軍に即応態勢を取るよう指示したと発表した。麻薬対策を名目にベネズエラ沖で艦船や戦闘機を展開する米国が新たに空母を派遣。自国への軍事攻撃につながると警戒するベネズエラは、圧力に屈しない姿勢を示す狙いがあるとみられる。

即応態勢はマドゥロ大統領の命令に基づくもので、全土に兵士や民兵を展開、ミサイルなども配備した。期間は12日までの2日間で、国防省は声明で「帝国の脅威に立ち向かう」と強調した。

米軍は9月以降、カリブ海と東太平洋で麻薬密輸船への攻撃を繰り返している。マドゥロ氏は、ベネズエラ政府高官と密輸組織が結託しているという米国の主張を否定。「わが領土に対する侵攻と占領の意図がある」と警戒感をあらわにしている。

米海軍は11日、空母「ジェラルド・フォード」が中南米・カリブ海を担当する米南方軍の海域に到着したと発表した。麻薬対策の支援で「違法な活動を監視し、破壊する米国の能力が高まる」と強調した。

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