イスラエルのヘルツォグ大統領は12日、汚職などの罪で起訴されているネタニヤフ首相について、トランプ米大統領から恩赦を求める書簡を受け取ったと明らかにした。イスラエルメディアによると、ヘルツォグ氏は大統領府声明で「恩赦請求は適切な手続きを経る必要がある」とし、論評を避けている。

 公開された書簡は「偉大なるイスラエル国家とユダヤの人々が過去3年間の困難な時期を乗り越えようとしている今、戦時下で決断力のある首相としてイスラエルを平和の時代へと導いているネタニヤフ氏に完全な恩赦を与えるよう要請する」としている。

 地元メディア「タイムズ・オブ・イスラエル」によると、ネタニヤフ氏は三つの汚職事件にからんでそれぞれ起訴され、裁判が進行中。野党からは国内問題への介入だと問題視する声が上がっている。

 トランプ氏はこうした批判を見越してか、書簡では「イスラエル司法制度の独立性を絶対的に尊重する一方、ビビ(ネタニヤフ氏の愛称)に対するこの『事件』は、政治的かつ不当な訴追だと確信する」と訴えた。

 トランプ氏は10月にイスラエルを訪問した際も国会演説でネタニヤフ氏の恩赦を呼びかけた。イスラエル大統領には恩赦権限があるが、ヘルツォグ氏はこれまで、恩赦には本人か近親者からの申し立てが必要だという手続き上の要件を指摘するにとどめている。

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