フィリピンの首都マニラで日本人2人が射殺された事件で、現地警察に拘束された容疑者2人の弁護人が22日、朝日新聞の取材に応じ、「警察が作ったストーリーで拘束された。2人は事件に関与していない」と主張した。

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 事件は15日夜、マニラ市内の路上で発生。マニラ警察によると、41歳と53歳の日本人男性2人がタクシーから降りた直後、男が近づき、銃撃した。男はカバンを奪い、バイクで逃走した。

 警察は18日、マニラ近郊パンパンガ州に住む兄弟のアルバート・マナバット容疑者(50)とアベル・マナバット容疑者(62)を拘束した。翌19日の記者会見で、「日本在住の日本人の首謀者に雇われ、殺害を計画・実行した」との見立てを示し、殺人と窃盗の疑いで調べている。

 弁護人のノリ・デ・ペドロ弁護士はマニラ首都圏の事務所で取材に応じた。2人は弁護側の聞き取りに対し、容疑を否認しているという。

 ペドロ氏の説明によると、警察が「銃撃の実行役」とみているアルバート容疑者は、事件当時、自宅周辺にいて、事件現場は訪れていないと話している。また、防犯カメラに写った銃撃犯とアルバート容疑者の体形は異なるとしている。

 また、アベル容疑者は旅行ガイドとして被害男性に同行していたことは認めたが、「銃撃の瞬間はタクシー内で支払いをしていた。2人が撃たれたのを見て、自分も殺されると思い、怖くて走って逃げた」と話している

 さらに、警察が「容疑者が関与を自供した」と主張している点も否定。「2人は1枚の調書にもサインはしておらず、事実ではない」と述べた。

 現地警察は、2容疑者のほかにもフィリピン国内で複数の人間が計画に関わったとみて、行方を追っている。

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