記念撮影で最前列の中央に座る男性。
中国武術発祥の地として知られる少林寺の元トップ、釈永信氏です。

“少林寺の顔”と評されるその釈氏が、横領などの疑いで当局に逮捕されることが分かりました。

少林武術の総本山である、嵩山少林寺のトップを務めていた釈氏。

経営学修士(MBA)を取得し世界各地で演舞ショーを開催するなど、少林拳の商業化を推進し、少林寺を国際的な文化・観光ブランドとして確立しました。

中国メディアによると、ピーク時には寺に年間420万人もの観光客が訪れ、入場料だけで700億円以上を得ていたといいます。

そんな釈氏を巡る疑惑が最初に浮上したのは、2015年のことでした。

当時の弟子が釈氏について「寺の資金を横領したうえ、複数の女性と不適切な関係にある」などと告発したのです。

これを受け、現地当局が調査したものの「事実なし」として疑惑は沈静化。
当の釈氏はその後開かれたイベントで、少林拳の意義を「(少林拳は)繰り返し稽古を重ねることで心と体が一体となり、雑念のない状態に達することができ、心身の健康に積極的な効果をもたらします」と説いていました。

しかし2025年7月、少林寺は「寺の資産の横領や複数の女性との不適切な関係などの疑いがあり調査を受けている」などとして釈氏を解任。

また、中国仏教協会は「釈氏の行為は極めて悪質で、仏教界の評判を損ねる」として、僧侶資格の取り消しを発表しました。

そして、この発表から約4カ月がたった11月16日、現地当局は寺の資金横領や収賄の疑いで、釈氏の逮捕を認める決定を下したのです。

心と体の調和を説いていた身とは裏腹の、雑念まみれの素顔。
その身柄は、すでに拘束されているとみられています。

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