
【ヨハネスブルク=川上進平】高市早苗首相は23日、南アフリカでの20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の2日目の討議に参加した。中国によるレアアースの輸出規制を念頭に「重要鉱物の輸出管理に国際社会での懸念が高まっている」と述べた。
「万人にとっての公平で公正な未来」と題した第3セッションに出席した。
重要鉱物について「安定的な供給は世界経済の発展に不可欠だ」と強調した。サプライチェーン(供給網)の過度な集中を避けるため各国が連携して取り組む必要があると提起した。
日本としては国際協力機構(JICA)の援助で東アフリカ・モザンビークのナカラ港を起点に港湾と内陸部を道路で連結する「ナカラ回廊」プロジェクトを進めていると紹介した。
超少子化が進み、資源が乏しい日本にとってアフリカは魅力的な貿易相手になる。アフリカは電子機器の製造に不可欠な希少鉱物を採掘している国もある。企業が進出するうえでの課題の未熟なインフラ整備を手伝う。
AI(人工知能)に関し「加速度的に普及するAIの有効利用は経済成長の原動力だ」と語った。情報リスクの回避など安心、安全で信頼できる環境の構築が必要だと訴えた。アフリカでのAI人材育成を進めていくと説明した。
国際社会が複合的な危機に直面しているとして「G20の役割はますます重要になっている。共通点と一致点を見いだし、課題解決を進めていこう」と呼びかけた。
発言の最後に2026年の議長国を務める米国でのG20成功のため積極的に協力するとも言明した。
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