
【NQNニューヨーク=田中俊行】25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸して始まり、午前9時35分現在は前日比301ドル37セント高の4万6749ドル64セントで推移している。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測から買いが先行した。半面、ハイテク株の一角には売りが出て、相場の重荷となっている。
25日朝に発表された9月の米小売売上高は前月比0.2%増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.3%増)を下回った。9月の米卸売物価指数(PPI)は食品とエネルギーを除くコアが前月比0.1%上昇と、予想(0.2%上昇)に届かなかった。
米民間雇用サービス会社のADPが同日発表した民間部門の雇用者数の週次データは、8日までの4週間で週平均1万3500人減った。いずれの指標も「米経済の減速を示唆した」(エバコアISI)との見方がある。FRBが12月に利下げを決める妨げにならないとして株式相場を支えている。
一方、ダウ平均は下げに転じる場面もある。米ネットメディアのジ・インフォメーションは24日、メタプラットフォームズがグーグルの開発する人工知能(AI)半導体を自社データセンターで使う検討をしていると報じた。AI半導体の競争激化への懸念からエヌビディアが一時7%安となり、投資家心理の重荷となっている。
ダウ平均の構成銘柄では、メルクやユナイテッドヘルス・グループ、アムジェンが高い。ホーム・デポやマクドナルド、ナイキも上昇している。一方、IBMやマイクロソフト、キャタピラーが安い。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落して始まった。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やマーベル・テクノロジーに売りが出ている。
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