◆糖分量の基準を下げ、ミルクセーキも課税対象に
英国政府は26日に予算案を公表。盛り込んだのが、一定以上の糖分を含む飲料に課税する通称「砂糖税」の対象拡大と、含有量の基準を厳しくする措置だ。
ミルクセーキ（資料写真）
砂糖税の導入は2018年。100ミリリットル当たり5グラムの糖分を含む清涼飲料に税金を課すとした。今回は糖分量の基準値を4.5グラムに引き下げ、ミルクセーキやカフェラテなどの乳飲料も対象に加える。 「ミルクセーキ税」とも呼ばれる新制度。英国政治に詳しい早稲田大の高安健将教授によると、ミルクセーキは英国ではアイスクリーム入りのものもあるが、味がついただけの牛乳も一般的という。◆イギリスは「子どもの肥満」が社会問題で
砂糖税導入の背景について、高安氏は「英国は肥満大国で、特に子どもの肥満が社会問題になっている」と語り、課税対象の拡大も「税制の問題というよりも、肥満対策として導入されている」とみる。 高安氏によれば、砂糖税の導入時、ミルク関連の商品は例外扱いとされた。カルシウムが取れることから子どもに推奨されるとの判断だった。今回は乳飲料が新たに課税されるが、工場でつくられたような製品が対象で、レストランなどの飲食店で提供するカフェなどは外れるという。 「明らかに飲料会社を狙った課税」と高安氏。現状の英国の政治状況は、移民対策の強化など「右」に寄っているとし、「人々の健康、特に子どもの健康を重視して企業に厳しいスタンスを取ることで、左派の不満を和らげる意味合いもあ...残り 738/1475 文字
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