イスラエルで退役軍人などが戦闘終結や人質の解放を訴えるデモを実施した(テルアビブ、12日)=ロイター

【エルサレム=共同】イスラエルメディアは24日、同国軍が準備するパレスチナ自治区ガザの中心都市、ガザ市の制圧計画を巡り、予備役の兵士を段階的に動員する見込みだと伝えた。軍は、兵士の士気の維持やイスラム組織ハマスが拘束する人質の安全確保のため、作戦を慎重に進める姿勢を示している。2023年10月に始まった戦闘は一段と長期化の様相を呈している。

ネットメディア「ワイネット」は、イスラエル軍が招集命令を出した予備役約6万人が9月上旬に動員される見込みだと報じた。さらに11月と来年3月に新たな予備役が投入される予定という。

一方、イスラエル紙ハーレツによると、同国軍のザミール参謀総長は政府に対し、ガザ市の住民の退避先が整備されなければ大規模な攻撃を開始しないと伝えた。ガザ市では推定100万人が避難生活を送っているとみられ、実行に踏み切れば住民にさらなる犠牲が増えるのは必至だ。ネタニヤフ首相は作戦の迅速化を求めているとされ、軍との足並みの乱れが目立ってきている。

一方、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は24日までに、戦闘後、ガザ内にある学校の97%が何らかの被害を受けたと明らかにした。92%近くが再建または大規模な改修工事が必要だとした。

ガザ保健当局によると、戦闘開始後のガザ側死者は6万2千人を超えた。ガザでは人道危機が深まり、飢餓や栄養失調による死者も相次いでいる。

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