
【ニューヨーク=谷本克之】米ブルームバーグ通信は4日、米メタが仮想現実(VR)端末などの「メタバース」事業の予算を最大30%削減することを検討していると報じた。大規模な人員削減に踏み切る可能性もある。投資家は振るわない事業の縮小を好感し、米株式市場でメタの株価は一時前日比約6%上昇した。
メタは米オープンAIや米グーグルに対抗するために人工知能(AI)への投資と開発者引き抜きを進めている。収益化に向けた道筋が見えないメタバース事業を縮小し、人間の頭脳をしのぐAIを指す「超知能」開発シフトを進める可能性がある。
同社は2021年に社名をフェイスブックからメタに変更し、主力のSNSに次ぐ将来の成長事業として開発投資を続けてきた。「リアリティ・ラボ」と呼ぶ事業は2019年から25年6月までで推計780億ドル(約12兆円)の赤字を出した。
ブルームバーグによると、メタバース事業の予算削減は26年度予算計画の策定の一環。利用者が自ら仮想空間を作ったりゲームで交流できるサービス「ホライゾン・ワールド」やVRのゴーグル型端末「メタクエスト」の開発を手掛けるメタバースグループが対象になっている。
メタは投資会社などと組んで米南部ルイジアナ州で(ニューヨーク・)マンハッタン島の大部分を覆うほどの規模のデータセンター計画「ハイペリオン」を推進するなどAIの投資負担が大きくなっている。
10月には計300億ドル(約4兆6000億円)の社債を発行するなど資金集めを急いでおり、不採算事業の縮小を通じて、AI開発へ資金を振り向ける狙いがあるとみられる。
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