
【ワシントン=時事】トランプ米大統領は24日、SNSへの投稿で、東部メリーランド州の中心都市ボルティモアに軍部隊を派遣する考えを示唆した。民主党のムーア州知事との対立を受け、治安対策の名目で強権姿勢を示した。
ムーア氏は21日、同州内の犯罪が大幅に減少しているとして、トランプ氏に巡視への招待状を送り付けた。トランプ氏はこれに「非常に挑発的で不快だった」と反発した。
トランプ氏はその上で、ボルティモアが「犯罪がはびこり、無法地帯と化している」と非難。「ムーアが助けを必要としているなら、近隣の(首都)ワシントンで実施したように『部隊』を派遣し、迅速に犯罪を浄化する」と主張した。さらに、昨年3月に貨物船の衝突で崩落したボルティモアの橋の復旧への連邦資金拠出についても、「見直さなければならない」と述べた。
共和党のトランプ氏はこれまで、民主党の地盤の大都市を標的に「治安維持」などの名目で軍を派遣してきた。既にロサンゼルスとワシントンに派遣したほか、22日にはシカゴとニューヨークへの派遣も示唆した。
ワシントン・ポスト紙は、国防総省が9月にも数千人規模の州兵をシカゴに派遣する計画だと報道した。これに対し、シカゴを抱える中西部イリノイ州のプリツカー知事はSNSで「トランプが州兵を派遣すると脅しているのは、治安のためではなく、自分の権力の限界を試し、(市民を抑圧する)警察国家にするためだ」と批判した。
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