
【ワシントン=共同】米疾病対策センター(CDC)のワクチン諮問委員会は5日、全ての新生児に出生時のB型肝炎ワクチン接種を推奨する方針の撤回を決めた。反ワクチン派のケネディ厚生長官が選んだ委員による多数決で決まった。ニューヨーク・タイムズ紙は「CDCとそのワクチン専門家に対する信頼は失われた」と指摘した。
ジム・オニールCDC所長代行の承認後、正式決定となる。CDCは全ての新生児に対し、出生時に1回目のワクチン接種を推奨してきたが、諮問委はその対象をB型肝炎に感染している母親の新生児に限定。母親が感染していない場合は、出生時に接種するかどうかを医療従事者と相談して決めるよう求めた。出生時に接種しない場合は生後2カ月以降に行うよう求めた。
これまでは2回目を生後1〜2カ月、3回目を6〜18カ月に接種するよう推奨していたが、諮問委は2回目以降については言及していない。
賛成した委員は「多くの新生児は感染リスクがとても低い」と主張。反対の委員は「科学的データによる裏付けがない」と反論した。ワクチン専門家からは「医療現場で混乱が起きたり、ワクチンへの忌避感が生じたりしかねない」と懸念の声が上がっている。
ケネディ氏は6月、諮問委の全17委員を解任。新たな委員を自ら選んだが、ワクチンに反対姿勢の委員が多数含まれる。
日本の厚生労働省は1回目を生後2カ月、2回目を3カ月、3回目を7〜8カ月に接種するのが標準的としている。
【関連記事】
- ・米国の予防接種方針変更「子供に被害」 国際医療福祉大・松本哲哉氏
- ・コロナワクチン接種の一律推奨を撤回 米CDC諮問委
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。