ニューヨークのウォール街=遠藤啓生撮影

【NQNニューヨーク=森川サリー】11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸して始まった。午前9時35分現在は前日比200ドル01セント高の4万8257ドル76セントで推移し、11月12日に付けた最高値(4万8254ドル)を上回っている。上げ幅は一時400ドルあまりに達した。米利下げが景気を支えるとの見方から、景気敏感株や消費関連株に買いが入っている。

米連邦準備理事会(FRB)は10日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを決めた。パウエル議長は記者会見で、利上げが念頭にないことなどに言及し、追加利下げに慎重な「タカ派」の姿勢を緩めたとの受け止めが広がった。

11日発表の週間の米新規失業保険申請件数は23万6000件と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(22万3000件)を上回った。米債券市場では長期金利が低下し、株式相場を支えている面がある。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、オラクルが17%近く下げる場面があった。10日夕に発表した2025年9〜11月期決算では、売上高が市場予想を下回ったうえ、26年5月期通期の設備投資額を従来見通しより増やす方針を示した。収益に見合わない投資への懸念から、売りが膨らんでいる。

オラクル株の下落は、ほかのハイテク関連銘柄の売りに波及している。ダウ平均の構成銘柄ではエヌビディアが安い。

そのほかのダウ平均の構成銘柄ではウォルト・ディズニーが高い。オープンAIと大型契約を結んだと11日に発表し、材料視されている。ビザやスリーエム、ホーム・デポ、ゴールドマン・サックスも上昇している。一方、コカ・コーラやアップル、キャタピラーが安い。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落して始まった。ブロードコムやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)といった半導体株が安い。アルファベットとテスラも下落している。

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