
【NQNニューヨーク=田中俊行】15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発して始まり、午前9時35分現在は前週末比131ドル43セント高の4万8589ドル48セントで推移している。前週末に下げた半導体株の一角に買いが入り、投資家心理を支えた。一方、積極的な買いは限定的でダウ平均は下落に転じる場面もある。
主要な半導体株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が上昇している。前週末12日のSOX指数は5%あまり下落していた。半導体装置メーカーのラムリサーチが一時前週末比3%上昇するなど、15日は押し目買いが先行しており、投資家の運用リスクを取る姿勢につながった。
ダウ平均は一時は200ドルあまり上昇し、最高値の4万8704ドルに近づく場面があった。
ニューヨーク連銀が15日発表した12月の製造業景況指数はマイナス3.9と前月から22.6ポイント悪化し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(10.0)に反してマイナスだった。「新規受注」や「出荷」などが落ち込んだ。米景気が減速しているとの見方から米長期金利に低下圧力がかかり、株式相場を支えた面もあるようだ。
朝方に主力株への買いが一巡した後、ダウ平均は伸び悩んだ。ダウ平均の構成銘柄ではないが、ブロードコムとオラクルが下落している。下げ止まりの兆しが見えないことは投資家心理の重荷となっている。
米連邦政府の一部閉鎖で公表が延期されていた11月の米雇用統計が16日に発表される。18日には11月の米消費者物価指数(CPI)も発表になる。米連邦準備理事会(FRB)の金融政策を予想するうえで注目度の高い経済指標の内容を見極めたいとして、買いを見送る向きもある。
ダウ平均の構成銘柄ではエヌビディアやアムジェン、ゴールドマン・サックスが上昇している。トラベラーズとコカ・コーラにも買いが入っている。一方、セールスフォースやアップル、キャタピラーが安い。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は高く始まった後、下落に転じた。テスラやマイクロン・テクノロジー、アプライドマテリアルズの上昇が目立つ。半面、アルファベットが売られている。
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