
【NQNニューヨーク=矢内純一】15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、終値は前週末比41ドル49セント(0.08%)安の4万8416ドル56セントだった。最高値圏にあるなか、ハイテク株の一角に売りが出た。16日に11月の米雇用統計の発表を控え、持ち高調整の売りも出やすかった。
ダウ平均は11日に最高値を更新していた。高値警戒感や株式相場の過熱感が意識され、主力株の一角に持ち高調整の売りが出た。ダウ平均の構成銘柄ではないが、ブロードコムとオラクルに売りが続き、投資家心理の重荷となった。いずれも前週に発表した四半期決算が市場の高い期待を超えられなかった。
米連邦政府機関の一部閉鎖の影響で公表が遅れた11月の米雇用統計が16日に発表される。18日には11月の米消費者物価指数(CPI)の発表がある。米連邦準備理事会(FRB)の今後の政策判断を占ううえで市場の注目度が高い。重要な指標の発表を前に主力株の一部には持ち高調整の売りが出た。
市場では「ハイテク株から他の銘柄への資金シフトがみられる」(マーフィー・アンド・シルヴェスト・ウェルス・マネジメントのポール・ノルティ氏)との指摘があった。ディフェンシブ株や景気敏感株の一角に買いが入り、ダウ平均は上昇する場面があった。
ダウ平均の構成銘柄ではアップルやアマゾン・ドット・コム、マイクロソフトが下落した。セールスフォースとスリーエム(3M)も安かった。半面、アムジェンやジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、ハネウェル・インターナショナルが買われた。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3日続落し、終値は前週末比137.756ポイント(0.59%)安の2万3057.413だった。
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