【NQNニューヨーク=田中俊行】17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落し、終値は前日比228ドル29セント(0.47%)安の4万7885ドル97セントだった。人工知能(AI)関連の巨額投資に対する先行き不透明感が高まり、ハイテク株への売りが膨らんで投資家心理が悪化した。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、オラクルが5%安と大幅に下げた。米ミシガン州で建設を予定するデータセンターを巡り、ファンドが資金拠出をやめると英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)電子版が17日報じた。投資家の間でAIインフラの投資回収に対する警戒感が高まり、売りが膨らんだ。

AI関連の収益が市場の予想ほど成長しないのではないかとの懸念も意識された。ダウ平均の構成銘柄ではエヌビディアが売られたほか、建設機械や発電機器を手がけるキャタピラーが大幅安となった。ダウ平均の構成銘柄以外ではブロードコムやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株が下落するなど、AI関連銘柄が軒並み売られた。

ダウ平均は上昇する場面もあった。米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は17日朝の米CNBCの番組に出演し現在の政策金利は制限的な水準であり一段の利下げ余地があるとの認識を示した。米雇用が減速するなか、FRBが緩和的な金融政策を進めるとの見方は相場を支えた。

そのほかのダウ平均の構成銘柄では、シスコシステムズやナイキ、アメリカン・エキスプレス(アメックス)が下落した。ゴールドマン・サックスとスリーエム(3M)も安かった。一方、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やセールスフォース、シェブロンは上昇した。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は反落し、418.14ポイント安の2万2693.32で取引を終えた。テスラやデータ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズの下げが目立った。

【関連記事】

  • ・米オラクル、AIデータセンター出資者が交渉撤退 株価高値から半減
  • ・勝ち組は誰だ オラクル株急落に耐えるAI相場

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。