
【ロンドン=山下晃】英イングランド銀行(BOE、中央銀行)は18日、政策金利を公表する。事前の市場予想では利下げするとの声が優勢だ。利下げは8月以来で3会合ぶり。インフレ圧力が緩和したと判断し軟調な労働市場を下支えする。
17日までに金融政策委員会(MPC)を開き、政策金利の中銀預金金利(バンクレート)の引き下げが議論された。4%から3.75%に引き下げると、今年に入り4回目となる。四半期に一度のペースでの利下げを維持することになる。
11月分の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.2%の上昇で事前の市場予想(3.5%程度)を下回った。物価上昇の落ち着きを予想してきた英中銀のシナリオに沿っている。
労働市場は悪化の兆しが見える。中銀が注目する民間部門の名目賃金(除くボーナス)は8〜10月に3.9%増で前月から鈍化した。8〜10月の失業率も5.1%と前月から悪化し新型コロナウイルス禍以来の高い水準にあり、利下げで経済を下支えする。

もっとも、政策金利が3.75%となると、一部のMPCメンバーが推計する名目の中立金利(2.25〜3.25%)の上限に近づいてくる。2026年はこれまで「段階的かつ慎重」に、一定のペースでの利下げを示唆してきた方針が変更される可能性もある。
9人の政策委員のうち、ベイリー総裁を含む5人が利下げを支持する見通し。4人は政策金利の据え置きを反対すると多くの市場関係者は推測する。
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