北欧フィンランドの連立与党「フィンランド人党(フィン党)」の国会議員らが、アジア人差別とみなされる「つり目」の写真を投稿した問題で、同党の議員団は18日、会合を開き、所属議員2人を厳重注意処分にした。
公共放送YLEや大手紙ヘルシンギン・サノマットによると、同党会派トップ、ヤニ・マケラ氏は会合後、「真剣に議論し、写真は公表されるべきではなかったとの結論に達した」と述べた。全会一致の決定という。中継映像によると、当該議員2人も報道陣のカメラの前に立ち、謝罪した。
一連の問題のきっかけは、つり目のポーズをしたミスフィンランドの女性の写真がSNSで拡散されたこと。女性はミスフィンランドの称号を剝奪(はくだつ)され、フィン党の国会議員2人と欧州議会議員1人は女性を擁護する目的で、同様につり目の写真や動画をSNSに載せた。
これが火に油を注ぐ形となり、日本語のSNS空間を含めて、さらに大きな非難を集めることになった。オルポ首相は17日、日本、中国、韓国の現地大使館のSNSを通じ、それぞれの言語で異例の謝罪をした。
問題の国会議員のうちユホ・エーロラ氏は15日、朝日新聞の取材に対し、「私が誤っていた」と主張。「私の写真によって悲しい思いをさせてしまったアジア人に対してすでに謝罪しており、それが不十分であれば、何度でも謝罪する」と答えていた。
フィン党は2023年の総選挙で第2党となり、4党による連立政権の一角を担うようになった。だが、政権発足後、同党所属の閣僚を含む政治家が以前から差別的な発言をしていたことが取りざたされるようになり、政府が同年8月、平等や人種差別対策を促進する措置に関する声明を出す事態になっていた。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。