
【ワシントン、ブリュッセル=共同】トランプ米政権は18日、パレスチナ自治区ガザ攻撃を巡りイスラエルを不当に標的とした捜査の推進に関わったとして、国際刑事裁判所(ICC、赤根智子所長)の裁判官2人に制裁を科した。イスラエルのネタニヤフ首相の逮捕状を出したことなどを理由にICCを敵視するトランプ政権による圧力強化の一環。
政権はICCへの制裁を始めた2月以降、対象を拡大し、今回の措置で裁判官18人のうち8人、捜査を担う検察局のトップ3人に制裁が科された。ICC本体への制裁も取り沙汰されている。
ICCは「公平な司法機関の独立性に対する、言語道断の攻撃」と非難する声明を発表。「法曹が法を執行することで脅迫されるようなことになれば、国際的な法秩序が危機にさらされる」と訴え、制裁は断じて受け入れられないと反発した。
米政権は今回の裁判官2人に対する制裁理由として、今月15日、ガザ攻撃を巡る捜査に対するイスラエルの異議申し立てを退けた判断に賛成したためだとしている。ルビオ国務長官は声明で「ICCは政治的な行動を続けている。権力乱用は容認しない」と主張した。
トランプ大統領は第1次政権で、アフガニスタンでの米兵の戦争犯罪捜査に携わったICCの主任検察官らに制裁を科した。第2次政権発足後の今年2月、ICC職員らに制裁を科す大統領令に署名。米国とイスラエルはICCに加盟しておらず、管轄権は及ばないと主張している。
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