
【ワシントン=時事】米連邦最高裁は23日、トランプ政権が治安対策を理由に中西部イリノイ州シカゴ周辺に州兵を派遣する計画について、一時的に差し止める判断を下した。
政権は西部カリフォルニア州ロサンゼルスなど民主党の地盤に州兵を派遣しており、各地で提起されている訴訟に影響を与える可能性がある。複数の米メディアが報じた。
最高裁判事は保守派6人とリベラル派3人で構成。政権寄りの判断を示すことが多いが、今回は保守派のうち3人が州兵派遣に反対した。
トランプ政権は、連邦職員や不法移民収容施設の保護などを名目にシカゴ周辺への州兵派遣を決定していた。下級審が一時差し止めを命じたことを受け、政権側がその解除を要請。最高裁は、政府がイリノイ州で州兵を展開する法的根拠を提示できていないなどと指摘し、政権側の申し立てを退けた。
イリノイ州のプリツカー知事(民主党)は声明を出し、「政権による権力乱用を抑制し、トランプ大統領の権威主義への傾斜を遅らせる重要な一歩だ」と最高裁の判断を歓迎した。
トランプ政権は首都ワシントンや西部オレゴン州などにも州兵を派遣しており、民主党の知事らが各地で反発。現在、複数の訴訟が進行している。
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