アメリカのトランプ政権は3日、ベネズエラで軍事作戦を実施し、マドゥロ大統領を拘束しました。

アメリカや中国の情勢に詳しい、キヤノングローバル研究所・上席研究員の峯村健司さんが関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」に出演し、今回の攻撃が中国による台湾総統の“斬首作戦”(=敵対する側のトップを狙って排除する攻撃を加えること)につながりかねないという認識を示しました。

また中国にも輸出されていたベネズエラの石油をアメリカが得る代わりに、トランプ政権として東アジアを中国の勢力圏と認め、「口出しや手出しをしない」と取引する可能性があると訴えました。

■「今回の“斬首作戦”で中国もやりやすい環境になっていると見ていい」と峯村氏

【峯村さん】「中国も”斬首作戦”は、『ちょっとやろうか』ということで、演習を2015年ぐらいからずっと続けていたんですね。

今後もしやったときにも、アメリカに文句を言われる筋合いはないわけですよね。というところで、ハードルが1つ下がった。

さらにもっと言うと、ベネズエラはある意味、アメリカとは関係ない独立国であって、国連の加盟国である一方、台湾の方は中国の立場で言うと『自分たちの領土』。

そういう意味では、むしろベネズエラよりも『ハードルが低い、やりやすい』と中国は見ている。

結果としては今回の“斬首作戦”で、中国もやりやすい環境になっているんだというふうに見ていいと思います」

■「内モンゴルに台北の総統府を模したような建物」”斬首作戦”を念頭に置いた演習か

さらに峯村さんは、中国が“斬首作戦”を狙っているという根拠について、中国関係者への取材の結果として次のように解説しました。

【峯村さん】「(台湾を中国が進行する場合)昔は中国軍が大量に船を出して、台湾に上陸するんじゃないかと言われていたんですが、最近はどうも変わっていて、まさに今回の”斬首作戦”のような演習が増えています。

例えば内モンゴルという内陸の砂漠があるんですが、そこに台北の総統府を模したような建物、実物大の建物を作ったりとかして。

そこに突入する訓練をしたとみられるものがあったりとか、あと去年12月末にあった演習も中国の関係者に聞くと、やはり”斬首作戦”を念頭に置いた演習だったそうなんですね」

■「トランプさんの頭の中は習近平国家主席と『どうディールするか』しかない」

そして峯村さんはトランプ政権が、中国にも輸出されていたベネズエラの石油を巡って、中国の習近平国家主席とディール=取引をし、さらに東アジアを「中国の勢力圏だと認め、口出し・手出しをしない」という譲歩をする可能性もあると指摘しました。

【峯村さん】「今トランプさんの頭の中には、もう中国・習近平国家主席と『どうディールをするか』しかないと言っても過言じゃないぐらいだと思います。

(ベネズエラの石油は)習近平氏とのディールをやる上では、交渉材料になるとトランプ氏の頭の中では考えているのではないかと見ています。

今回トランプさんが、どうしてこのベネズエラとかグリーンランド(※)にこだわるのかというと、それらは『自分たちの、アメリカ大陸という勢力圏だ』と。

『ここは俺たちの庭だ』と言っている。『ここは自分たちが守る、そこに手を出してきた中国が出ていけ』と言っているわけなんですね

※グリーンランドはデンマーク領だが北米に近く、トランプ大統領が併合を希望する発言を繰り返している。

■米・中で『お互いの勢力を認めよう』というディールが成立する可能性

【峯村さん】「一方、中国は、日本も含めた東アジア、台湾とかも含めて、自分の勢力圏だと思っていると。『お互い(それぞれの勢力圏)にもう口を出したり、手を出したりするのはやめよう』と。

『お互いの勢力を認めよう』というようなディールが成立する可能性が、今回のベネズエラ事件が引き金によって生じる可能性は、私はあると仮定しています」

(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!2026年1月7日放送」)

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