
中国政府が6日、軍民両用(デュアルユース)の製品を対象に、日本への輸出規制を強化すると発表しました。高市早苗首相の台湾有事をめぐる発言への報復措置であるのは明らかです。具体的な品目は明示していませんが、ハイテク製品の生産に欠かせないレアアース(希土類)が含まれるとの見方も出ています。
日本はどう対処すればいいのでしょうか。東京財団主席研究員の柯隆氏はラジオNIKKEIのポッドキャスト番組「中国経済の真相」に出演し、仮に中国がレアアースを禁輸しても「焦らずに、ゆっくりと中国側の出方を見極めていくのが重要だ」との考えを示しました。
柯隆氏が強調するのは、中国がレアアースを禁輸した場合に備え、多くの日本企業が準備を進めてきた点です。
2010年に尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁の船に体当たりした事件が起きた際、中国はレアアースの対日輸出を止めました。それを教訓とし、日本企業はレアアースの備蓄を増やしてきたといわれます。リサイクル技術を確立し、かつてほどレアアースを大量に輸入せずに済むようにもなりました。
中国がレアアース以外の戦略物資を禁輸の対象にする可能性は否定できません。しかし、向こうがどんな手を使ってくるかもわからない段階で、動揺したようすをみせたり、対抗措置を打ち出したりすれば、相手の思うつぼです。柯隆氏は中国の脅しに「日本は騒がない方がいい」と訴えています。
一方、中国はトランプ米政権のベネズエラに対する軍事攻撃をどうみているのでしょうか。「習近平(シー・ジンピン)政権はショックを受けている」というのが柯隆氏の見立てです。
中国はベネズエラの石油関連のプロジェクトに巨額の投資をし、武器も輸出してきました。いまはこれまで投じてきた資金を回収できるかわからず、中国製の武器もほとんど役に立たなかったのが現実です。今回、米国の軍事力をみせつけられ、中国は台湾問題で「しばらくおとなしくならざるを得ないのではないか」と柯隆氏は指摘しています。
柯隆氏の解説は以下のポッドキャストでお聴きいただけます。
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(編集委員 高橋哲史)
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