
パレスチナ自治区ガザの停戦発効から3カ月がたった。散発的な戦闘がやまず、不安定な状況が長引く。停戦を確実に維持し、ガザの早期再建につなげなければならない。
イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦は、トランプ米大統領が提案した和平計画の第1段階として始まった。イスラエルはハマスによる遺体返還が第2段階に進む条件だと主張して攻撃を重ね、ハマスは「合意違反」と反発する。
停戦を有名無実にしてはならない。ガザ当局者によると停戦入り後に400人以上が殺害された。軍事的優位を確立したイスラエルは、自制が特に求められる。
第2段階に移っても、ハマスの武装解除は容易でない。武装解除なしには、治安回復の要となる国際安定化部隊(ISF)に各国は人員を派遣しづらい。
膠着状態を逆手にとるような双方の動きは心配だ。イスラエルの国防相は一時、ガザ全域から撤収せず、北部に軍事拠点をつくる考えを示した。永続的な駐留は正当化できない。ハマスも支配者としてガザに居座る余地はない。
和平計画は、周辺国も含む合意を得た現時点で唯一の案だ。不完全であっても、力を合わせて履行する以外に前進はない。
日本は和平計画を後押しする国際的な努力に加わり、ガザの人道支援や復興に協力する方針だ。がれき除去や人材育成など強みを持つ分野を中心に、ガザ再建に力を尽くしてほしい。
イスラエル軍の攻撃で激しく破壊されたガザでは、住民が寒い冬を耐えている。人道支援の強化は急務だ。しかし、イスラエルは国際非政府組織(NGO)の支援活動を停止させ、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への締め付けを強めている。
人道支援の妨害は許されない。日本は国際社会とともにイスラエルに是正を強く求めるべきだ。
同国に最大の圧力を加えられるのは米国だ。トランプ氏には中東の安定にこそ影響力を使ってほしいが、心もとない面がある。
昨年末にイスラエルのネタニヤフ首相と会談した際、イランが核や弾道ミサイルの開発を続けるなら同国への再攻撃を支持する考えを示した。今年総選挙があるネタニヤフ氏は、続投を狙い、求心力の回復へ強硬姿勢を強めるとの観測がある。米国は自制を促す側に回るべきだ。
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