3年間、駐ウクライナ特命全権大使を務めた福井市出身の元外交官・松田邦紀さんが28日、母校の福井大学附属義務教育学校で平和について講演しました。
福井大学附属義務教育学校の中学3年生にあたる2025年度の9年生は、社会科の授業の一環で「戦争のない平和な世の中」について探求しています。
28日は、この学校の卒業生で福井市出身の元外交官・松田邦紀さんを招いて講演が行われました。
松田さんはロシアが侵略する直前の2021年10月にウクライナの特命全権大使に着任。講演では、当時は外交交渉で何とか戦争をさせないようロシアとウクライナ両政府に働きかけたことを振り返りました。
しかし、ロシアは侵略してしまいました。
松田さんは「ロシアは即刻、戦争をやめて軍隊を引くべきだと強く非難するとともに要求するのも外交。その上で、ウクライナの人が何とか生き延びられるように人道支援を行う。女性や子供、お年寄りが安全なところに逃げられるように支援する」と述べました。
松田さんは2024年10月に3年半の任期を終えるまで、ロシアに停戦を呼び掛け続けたといいます。
ようやく停戦の兆しが見え始めたいま、松田さんは「今後は破壊されたウクライナの国土の復興費用をロシアに賠償させる仕組みをつくらなければいけない。それも外交の仕事になる」と締めくくりました。
講演を聞いた生徒たちは―
「色々な立場から考えることが大事なんだと思った」
「今まではメディアで見るだけの表面だけの戦争しか知らなかったけど、戦争が終わったら表に出ないから、そういうことも考えて自分たちも意見を発信していくのが大切だと思った」
生徒たちは松田さんの講演も踏まえて、学習の成果を文化祭で発表することにしています。
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