
【NQNニューヨーク=川上純平】28日の米株式市場でダウ工業株30種平均は高く始まった後に下落し、午前9時35分現在は前日比7ドル06セント安の4万5558ドル17セントで推移している。前日夕に2025年5〜7月期決算を発表したエヌビディアが売り優勢で、指数の重荷となっている。半面、経済指標の改善が投資家心理を支えている。
エヌビディアの5〜7月決算は売上高が前年同期比56%増の467億4300万ドルと市場予想以上に伸びた。人工知能(AI)向け半導体の販売が増え、高成長が続いた。ただ、8〜10月期の見通しには中国向け製品「H20」の出荷を含めなかった。中国事業の不透明感から株価は下げている。下落率は3%に近づく場面がある。
AI半導体の需要の強さが確認できたことから一部の半導体株は上昇している。ダウ平均の構成銘柄ではないが、ブロードコムとマイクロン・テクノロジーが高い。
ダウ平均は寄り付き直後は小幅に上昇した。28日発表の25年4〜6月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は前期比年率3.3%増と、速報値(3.0%増)から上方修正された。ダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(3.1%増)を上回った。同日発表の週間の米新規失業保険申請件数が市場予想を下回ったこともあり、景気が悪化するとの懸念が薄れ米株相場を下支えしている。
ダウ平均の構成銘柄ではベライゾン・コミュニケーションズやメルク、ジョンソン・エンド・ジョンソンが下げている。半面、セールスフォースやアメリカン・エキスプレス、スリーエムが上昇している。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は一進一退で始まった。
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