欧州連合(EU)の行政を担う欧州委員会は10日、SNSなどの「ネットいじめ」から子どもを守るための新たな行動計画を発表した。SNSや生成AI(人工知能)の普及でいじめのリスクが高まっているとし、通報アプリをEU全域で導入することなどをめざす。

 計画では、2026年7月以降、EU27加盟国がネットいじめの被害を通報するアプリを導入できるよう支援する。たとえばフランスでは、「3018」と呼ばれる通報アプリがすでに使われており、被害者は証拠画像などを添付し、匿名で通報することができる。こうしたアプリを域内全体に普及させる方針だ。

 また、SNS利用者の保護などを目的にしたEUのデジタルサービス法(DSA)の運用も強化する。DSAに基づき、各加盟国が設置しているヘイトやテロ関連の投稿を監視する専門機関について、ネットいじめも監視できるよう新たにガイドラインを作る。

 さらに、AI法でSNS運営企業などに義務づけている、生成AIで作成したコンテンツであることを明示する「ラベル付け」も、ネットいじめ対策に生かす。

 EUが12~17歳の子どもを対象にした調査では、4人に1人がネットいじめを経験したと回答している。近年は、生成AIを悪用した「ディープフェイク」による性的ななりすまし画像の作成が急増しており、特に女子が標的となる事例が目立つという。実際、X(旧ツイッター)の生成AI「Grok(グロック)」に昨年12月に追加された機能を使って、実在の人物の画像が性的な画像に改変される被害が相次いだ。

 EUは子どものSNS利用年齢の制限についても検討を進めており、今夏までに専門家による意見をまとめる予定だ。

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