ロシア ウクライナに軍事侵攻(8月28日の動き)
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ロシアによる大規模攻撃 キーウで子ども含む少なくとも23人死亡
ウクライナの各地では、27日夜から28日朝にかけて、ロシア軍によるミサイルと無人機による大規模な攻撃があり、このうち首都キーウの当局は、市内で子どもを含む少なくとも23人が死亡したと発表しました。
トランプ政権の高官「攻撃が和平を脅かす」として非難

アメリカのケロッグ特使は28日、SNSに「攻撃の標的は兵士や兵器ではなくキーウの住宅地で、民間人用の列車やEUやイギリスの事務所、そして罪なき市民を爆撃した。この攻撃はトランプ大統領が追求する和平を脅かすものだ」と投稿しロシアによる攻撃を非難しました。

また、ホワイトハウスのレビット報道官は記者会見で「トランプ大統領とこの件について話した。不満に感じていたが驚いてはいなかった。この2つの国は長いあいだ戦争状態にある」とした上で、「両国ともにこの戦争をみずから終わらせる用意ができていないのだろう。トランプ大統領は終わらせたいと思っているが、両国の指導者がそれを望まなければならない」と述べました。
キーウ EU代表部近くにもミサイル攻撃
また、EU=ヨーロッパ連合は28日、キーウにある代表部からおよそ50メートル離れた場所に2発のミサイルが命中し、建物が被害にあったと明らかにしました。

フォンデアライエン委員長は「激しい憤りを覚える」と述べ、EUとしてロシアへの圧力を強めるため新たな制裁を準備していることを強調しました。
また、イギリスの文化交流機関「ブリティッシュ・カウンシル」の責任者は、キーウ市内の建物が被害を受け、1人がけがをしたとSNSで明らかにしました。
キーウでは、7月末に30人以上が死亡する大規模攻撃がありましたが、米ロ首脳会談やアメリカとウクライナ、それにヨーロッパの首脳などによる会合が行われた今月は、攻撃の回数は減る傾向にありました。
一連の会合以降、ロシアは、自分たちの主張を尊重すべきだと強調するなどして、ウクライナとの首脳会談に向けた調整は進んでいません。
こうした中で起きた今回の攻撃について、ウクライナやヨーロッパ側は、ロシアが停戦などの交渉に応じる姿勢がないことのあらわれだとして非難を強めています。
ロシア国防省「一斉攻撃」「目的は達成された」と発表

ロシア国防省は28日、今回のウクライナに対する攻撃について、軍事産業の施設や軍用飛行場への、極超音速ミサイルだとする「キンジャール」や無人機などを使った「一斉攻撃」だったとした上で、攻撃の目的は達成されたと発表しました。
また、ロシア大統領府のペスコフ報道官は28日、記者団に対し「ウクライナ側によるロシアの民間インフラへの攻撃が頻繁に行われているのはご存じのとおりだ。ロシア軍も自分たちの任務を遂行している」と述べ、ロシア各地の石油関連施設などに対して相次いでいるウクライナによる攻撃への報復だと示唆しました。
その上で「ロシアは政治的、外交的手段によってわれわれの目標を達成するため、交渉プロセスを継続することへの関心を持ち続けている」とも述べ、ウクライナ情勢をめぐるアメリカなどとの交渉には前向きだと主張しました。
キーウ 子どもたち向けのボランティア施設も被害

ミサイル攻撃があったキーウ中心部の地区では、広範囲にわたって建物などに被害が出て、重機を使って割れた窓ガラスやがれきを撤去する作業が行われていました。
このうち、子どもたち向けのボランティア施設も被害を受けました。

施設を運営しているルサーナさん(24)は、朝のニュースで建物が被害を受けたことを知り、夫と急いで車で出勤したということです。
防犯カメラが捉えた当時の映像には、ミサイル攻撃の激しい衝撃によって家具や物が倒れたり、書類が散乱したりする様子がうつっていました。
ルサーナさんは「破壊された建物などを見た時は泣いていました。これからどうすればいいか分かりません。みんな、この戦争を終わらせたいと強く願っています。あまりにもつらく、大きな苦痛だからです」と話していました。
また、住んでいるアパートがミサイル攻撃を受けたという31歳の男性は「恐ろしい光景でした。午前5時半ごろに2度の爆発がありました。窓は吹き飛び、私はベッドから投げ出されました。ロシア軍の攻撃は非常に腹立たしいです」と話していました。
キーウへの攻撃 各国首脳が相次ぎロシアを非難

ロシア軍によるキーウへの攻撃を受けて、各国などの首脳が相次いでロシアを非難しています。
このうちNATO=北大西洋条約機構のルッテ事務総長は、「私たちがトランプ大統領を支援し、この戦争を終わらせようと試みている間に、プーチン氏は罪のない民間人への攻撃を続けている。私たちはプーチン氏を甘くみてはいけない」と述べました。
また、イギリスのスターマー首相はSNSに投稿し、「プーチン氏は子どもや民間人を殺害し、平和への希望を破壊している」として非難しました。
フランスのマクロン大統領はSNSに、「これがロシアの考える平和だ。住宅地や民間インフラが意図的にねらわれた。フランスは、これらの無意味で残酷な攻撃を最も強いことばで非難する」と投稿しました。
国連事務総長「国際人道法に違反」と非難する声明

国連のグテーレス事務総長は28日、ロシアによるウクライナの首都キーウへの大規模な攻撃について、「民間人や民間インフラに対する攻撃は国際人道法に違反するもので容認できず、直ちに停止しなければならない」と非難する声明を発表しました。
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