記者会見に臨むインドのモディ首相㊨とフランスのマクロン大統領(17日、ムンバイ、インド政府提供)=AP

【パリ=北松円香、ニューデリー=岩城聡】フランスのマクロン大統領は17日にインドを訪問し、モディ首相と会談した。19日まで滞在し、インドが主催する人工知能(AI)の国際会議「AIインパクトサミット」に出席する。インドは仏戦闘機「ラファール」購入に意欲を示しており、大型の受注案件が協議される見通しだ。

両氏はムンバイでの会談後に共同記者会見し、両国の関係を「グローバルな特別戦略パートナーシップ」に格上げすると説明した。モディ氏は「世界が不確実な時期を迎えている」なかで、両国の絆は「世界の安定の力」となっていると述べた。

マクロン氏は「いかなる形の覇権主義にも、少数の人々の対立にもさらされることを望んでいない」と語った。共同声明によると、マクロン氏はモディ氏を6月の主要7カ国首脳会議(G7サミット)に招待した。

両国は「インド・フランス年次防衛対話」を開き、10年間の防衛協力協定を更新した。防衛関係をパートナーシップの中核要素にすることを再確認した。

インドは対立するパキスタンと中国という2つの核保有国との間で領土問題を抱えており、安全保障上の課題に絶えず直面している。空軍力の維持は戦略的な優先事項だ。

仏メディアによるとフランスとインドの間ではラファール114機、およそ330億ユーロ(約5兆9000億円)の商談が進む。製造元のダッソー・アビアシオンにとっては過去最大の受注となる可能性があり、今回のインド訪問にはダッソー・グループのエリック・トラピエ会長も同行した。

仏製の精密誘導爆弾をインドで共同開発・生産することも決まった。インドのバーラト・エレクトロニクス社とフランスのサフラン・エレクトロニクス・アンド・ディフェンス社が合弁会社を設立する覚書が交わされた。

南部カルナタカ州では小型単発ヘリ「H125」を仏印合弁で生産する。モディ氏は「エベレストの高さまで飛行できる唯一のヘリコプターはインドで製造され、世界中に輸出されるだろう」と語った。

インド政府は、最大の防衛装備品供給国であるロシアへの軍事依存を減らそうとしている。産業振興策「メーク・イン・インディア」の観点からも国内の防衛装備品生産の増強を目指している。

マクロン氏のインド訪問は2017年の大統領就任以来4回目だ。両国は防衛や外交面で米国や中国のような大国と一定の距離を保ち、独立を維持したいという共通項がある。マクロン氏は24年にもインドを訪問し、25年にはモディ氏がフランスを訪れている。

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