
中国はいま、春節(旧正月)に伴う大型連休のまっただ中です。今年は過去最長の9連休となり、消費の盛り上がりに期待が集まっています。
ただ、深刻な不動産不況はなお出口が見えません。中国では、家計資産の7割超を不動産が占めるといわれています。住宅価格が下げ止まらなければ、逆資産効果で消費の拡大は見込めないとの声が少なくありません。
伊藤忠総研の玉井芳野・上席主任研究員はラジオNIKKEIのポッドキャスト番組「中国経済の真相」に出演し、中国の不動産市況について「2026年も底入れは見込みにくい」との見通しを示しました。
玉井氏が注目するのは中国の住宅在庫です。25年末時点で建設中の住宅在庫は販売面積に対しておよそ5倍という高水準で推移しています。不動産価格の下落で需要が低迷するなか、在庫が積み上がっているのです。
販売面積に対する住宅在庫の比率は、中国当局が不動産融資の規制を強化する前の19年には2.8倍でした。在庫の適正水準がどのあたりにあるかの判断は難しいところですが、19年のレベルまで引き下げるだけでも最低2年はかかる計算になります。玉井氏は「少なくとも27年までは調整局面が続く」とみています。
習近平(シー・ジンピン)政権に危機感がないわけではありません。25年末の中央経済工作会議では不動産に関し、都市ごとの状況に応じた新規供給の抑制や在庫削減に取り組む方針を改めて打ち出しました。柱となるのは、24年から実施している在庫住宅を買い取り、中低所得者向けの住宅に転換する政策の奨励です。
この政策は必ずしも効果を発揮していません。買い取りの主体である地方政府が財政難に陥っているうえ、中央銀行の中国人民銀行などによる金融支援が十分でないためです。中央政府が主体となって在庫住宅の買い取りを進める必要がありますが、いまも地方に丸投げしているのが実情です。
習政権は3月に開く全国人民代表大会(国会に相当)で、大胆な不動産対策を打ち出すのか。今のところ、その気配はありません。中国経済の先行きには、依然として深い霧がかかっています。
玉井氏の解説は以下のポッドキャストでお聴きいただけます。
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(編集委員 高橋哲史)
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