国連総会はロシアのウクライナ侵略終結を求める決議を賛成多数で採択した=ロイター

【ニューヨーク=吉田圭織】国連総会は24日、ロシアのウクライナ侵略から4年を迎えたことを受けて緊急特別会合を開き、即時停戦を求める決議を賛成多数で可決した。米国は「進行中の交渉の妨げとなる可能性がある」と主張し、棄権した。

英国やフランス、日本など107カ国が賛成した。ロシアやベラルーシなど12カ国が反対し、米国や中国、インドなど51カ国が棄権した。国連総会の決議には法的拘束力はないが、国際社会の総意を示すことができるとされる。

決議は「即時かつ完全で無条件の停戦」を求め、ロシアとウクライナの捕虜交換や強制的に移送された子供を含む民間人の帰還を要請した。ウクライナの領土保全の重要性にも言及した。同決議はポーランドやウクライナといった欧州諸国に加え、日本などが共同提案した。

採決に先立ち、ウクライナのマリアナ・ベッツァ外務副大臣は「国連総会が和平プロセスを支持しているとの明確なメッセージを発信する時がきた」として賛成するよう加盟国に訴えた。

ウクライナのマリアナ・ベッツァ外務副大臣は国連総会の緊急特別会合に出席した=ロイター

棄権したことについて、米国のタミー・ブルース国連次席大使は「進行中の交渉の議論を支援するどころか、妨げとなりかねない内容が決議に含まれている」と説明した。採決前に米国はウクライナの領土保全の重要性に加え、国連憲章を含む国際法に基づいた平和の実現について言及する段落の削除を求めていた。

ブルース氏は「戦争終結には政治的意志が必要だ。この戦争が始まって以来、最も合意に近づいている状況だ」とも述べた。

国連総会は侵略3年目となる2025年2月にも、戦闘の早期終結とウクライナの領土保全を求める決議を採択したが、米国は反対票を投じていた。同決議ではロシアの国際法違反について調査と訴追に踏み切ることなども求めていた。

今回の総会決議は1年前と比べても限られた内容になっており、米国に配慮している様子がうかがえた。

24日には国連の安全保障理事会もウクライナ侵略について会合を開くが、決議案の採決などは予定されていない。

国連総会の緊急特別会合は1950年の朝鮮戦争時に、安保理での旧ソ連の拒否権を抑える狙いで導入した。国連総会で採択した「平和のための結集」決議に基づいており、安保理の意見が一致せず、侵略への対応など国際社会の平和と安全の維持が困難になった場合に開く。

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