【NQNニューヨーク=森川サリー】29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日ぶりに反落し、前日比92ドル02セント安の4万5544ドル88セント(速報値)で終えた。人工知能(AI)需要を巡る先行きの不透明感が浮上し、ハイテク株を中心に売りが出た。半面、米連邦準備理事会(FRB)が9月に利下げをするとの見方は根強く、相場の下値は限られた。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは29日、中国のアリババ集団が新しいAI向け半導体を開発したと伝えた。トランプ米政権が半導体の輸出を制限するなか、自国の技術向上に力を入れている。「AI関連分野の競争が激化することを示唆し、投資家心理の重荷となった」(インタラクティブ・ブローカーズのスティーブ・ソスニック氏)との指摘があった。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、半導体のマーベル・テクノロジーが急落した。28日夕に発表した25年8〜10月期の売上高見通しが市場予想を下回った。前日に四半期決算を発表したデル・テクノロジーズも売られた。AI需要の先行きに対する不透明感が意識され、他のハイテク関連株に売りが波及した。

朝発表の7月の米個人消費支出(PCE)物価指数は前月比0.2%上昇と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想と同じだった。食品とエネルギーを除くコア指数も市場予想と一致した。「インフレ圧力が想定以上に高まっておらず、安心感につながった」(シーミス・トレーディングのジョセフ・サルッジ氏)との見方があった。

9月1日はレーバーデーの祝日で、米株式市場が休場となる。3連休を控え、売りの勢いは限られた。月末とあって、運用成績をよく見せるための機関投資家による「お化粧買い」が入りやすい面もあった。

ダウ平均の構成銘柄ではキャタピラーが下げた。25年12月期通期の関税による影響が15億〜18億ドルになる見通しだと前日夕に発表し、売り材料となった。エヌビディアやアマゾン・ドット・コムも安かった。ナイキとホーム・デポも下落した。半面、ユナイテッドヘルス・グループやアメリカン・エキスプレスに買いが入った。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4日ぶりに反落し、前日比249.606ポイント安の2万1455.552(速報値)で終えた。

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