【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(8月30日の動き)

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ウクライナ軍報道官 “ロシア軍小規模部隊 東部2集落に侵入”

ウクライナ軍の作戦戦術部隊のトレフボウ報道官は30日、NHKのインタビューに応じ、東部ドニプロペトロウシク州の2つの集落にロシア軍の5人編成の小規模部隊が複数入っていると明らかにしました。

報道官は「ロシア軍が侵入し、足場を築こうとしている。今も戦闘が続いている」と述べ、ロシア軍が攻勢を強めているという見方を示しました。

そして、この集落へのロシア軍の侵入は軍事侵攻が始まって以来、初めてとみられるとしたうえで、ロシア側のねらいについて「停戦などの交渉を少しでも有利に進めたいのではないか」と話しています。

また「ロシア軍はより多くの兵力を投入しようとしているが、われわれは補充部隊の進入路など攻撃するべき場所を特定し、あらゆる手段を講じている」と述べ、ウクライナ軍が進軍を食い止めていると強調しました。

この東部ドニプロペトロウシク州の2つの集落について、戦況を分析しているウクライナの団体「ディープステート」は26日、「ロシア軍に制圧された」と伝えましたが、ウクライナ軍の作戦戦術部隊のトレフボウ報道官は否定しました。

ウクライナ 最高会議の元議長が何者かに銃撃され死亡

ウクライナ国家警察によりますと30日、ウクライナの議会にあたる最高会議で議長を務めたアンドリー・パルビー氏が西部リビウの路上で何者かに銃撃されその場で死亡したということです。

地元当局によりますと、犯行に関わったとみられる人物は拳銃で8発発砲し、その場から逃走したということで警察が行方を捜査するとともに、事件の経緯を調べています。ウクライナメディアなどは、この人物はフードデリバリーサービスの配達員の格好をして、黒いヘルメットを着用していたと伝えています。

パルビー氏はウクライナで2014年に大規模な市民の抗議活動でロシア寄りの政権が崩壊した「マイダン革命」で指導的役割を果たした人物の1人で、2016年から2019年にかけて最高会議の議長を務めました。また、2019年からは反ロシアを掲げるポロシェンコ前大統領が率いる政党「欧州連帯」に所属していました。

ウクライナでは7月、ロシアに対する無人機を使った攻撃や破壊工作などにも関わったウクライナ保安庁の幹部職員が首都キーウで銃撃されて死亡するなど、要人の殺害が続いています。

ウクライナで大規模攻撃 外相がロシアを強く批判

ウクライナでは、30日朝にかけてロシア軍がおよそ540機の無人機や弾道ミサイルなどを使って各地を攻撃しました。

このうち、南部ザポリージャ州では、集合住宅が被害を受け、地元の知事によりますと、少なくとも1人が死亡したほか、これまでに子どもを含む30人がけがをしたということです。

ウクライナのシビハ外相は30日、EU=ヨーロッパ連合の外相とのオンライン会合に参加し、ロシアが和平のプロセスや戦争の終結に真剣に取り組もうという姿勢はみられないなどとして、強く批判しました。

一方、ゼレンスキー大統領は、31日から中国で始まる上海協力機構の首脳会議に出席するインドのモディ首相と電話で会談したことをSNSへの投稿で明らかにしました。

ゼレンスキー大統領は、戦争を終わらせるには即時の停戦が必要だとするウクライナの立場を改めて強調し、モディ首相がサミットに合わせた会合で、ロシアをはじめ各国首脳に対し、適切なシグナルを送るなど、尽力する考えを示したとして、謝意を表しました。

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