米ロ首脳会談 日本時間16日午前4時予定 停戦へ進展なるか焦点

稚内市は、宗谷海峡を挟んで対岸にあるサハリンとの距離がわずか43キロほどしかありません。
旧ソビエト時代から文化や経済の交流を進め、人の往来も盛んだったことから市内の看板にはロシア語の表記も多く見られます。
稚内からサハリンへは建設機械や農産物の輸出が以前は盛んに行われていました。
しかし、2022年にロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まると日本はロシアへの経済制裁に踏み切り、日ロ関係が悪化したことで状況は一変しました。
稚内市がサハリン州の州都、ユジノサハリンスクに開設した「稚内市サハリン事務所」は休止状態となっています。
また、以前、市役所内にあった「サハリン課」という部署は「国際交流課」など名称の変更を繰り返した上で、ことし4月に廃止されました。
稚内市では日本時間の16日に行われる米ロ首脳会談で、事態の打開につながるか、関心が高まっています。

稚内市サハリン事務所 佐々木陽平所長
「当面は状況を注視するほかありませんが、状況が許すようになれば、従前どおりの交流を復活させたいと考えています」
交流協会「自由にサハリンと行き来できる状況になってほしい」
「稚内日ロ経済交流協会」は、ロシア語の通訳業務などを行うため、地元の経済界によって1992年に設立されました。
交流協会によると、稚内市とサハリンとの人やモノの往来は、1990年代から2000年代にかけて盛んで、1997年に稚内港を訪れたというロシア船は4000隻を超えていました。

稚内日ロ経済交流協会の伊藤裕事務局長は、7月に通訳の仕事でサハリンを訪れた際、稚内との交流再開を望む人が多いと感じたということです。
稚内日ロ経済交流協会 伊藤裕事務局長
「戦後に残留先のサハリンから戻ってきた人たちが多くいるので、自由にサハリンと行き来できる状況になってほしいと思います」
ウクライナへの軍事侵攻後 貿易や人の往来は

ロシアへの制裁を政府が継続する中でも制裁の対象になっていない水産物の輸入は行われています。
函館税関稚内税関支署によりますと、ことし1月から6月末までに稚内港に入港したロシア船は45隻で、そのほとんどがウニを取り扱っており、輸入総額は11億円以上だということです。
一方、日本からロシアへの輸出はゼロでした。
また、稚内港とサハリンのコルサコフ港を結ぶ定期航路は、ウクライナへの軍事侵攻後は停止していますが、ことし4月以降、サハリンから観光目的とみられる小型船舶が複数回、稚内港を訪れていることが確認されているということです。
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