
【NQNニューヨーク=稲場三奈】3日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落して始まり、午前9時35分現在は前日比15ドル80セント安の4万5280ドル01セントで推移している。米経済の先行きを巡る不透明感が重荷となっている。一方、反トラスト法(独占禁止法)違反を巡る裁判で事業分割を免れたグーグルの親会社アルファベットが大幅に上昇している。
3日発表の7月の米雇用動態調査(JOLTS)では求人件数が718万1000件と、6月の改定値(735万7000件)から減少した。市場予想も下回り、米労働市場が減速しているとの見方から、株式相場の重荷となっている。市場では米財政を巡る不安も根強く、運用リスクを回避する動きにつながりやすい。
アルファベットは一時9%あまり上昇し、最高値を付けた。グーグルがネット検索で独禁法に違反したと認定した裁判で、米連邦地方裁判所が司法省の求めていた閲覧ソフト(ブラウザー)の「クローム」事業の売却など分割案を退けた。検索データの外部提供を求めたほか、アップルなどにスマートフォンの検索エンジンとしてクロームを標準搭載することを禁止しないとの判断を示した。アップルも一時約4%高と上昇している。
市場では大手ハイテクに対する独禁法違反の是正措置への関心が高かった。事業の根幹を揺るがす内容ではなかったとの受け止めから、アマゾン・ドット・コムなどほかのハイテク株にも買いが波及している。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、百貨店のメーシーズが上昇している。3日朝発表の2025年5〜7月期決算で売上高や特別項目を除く1株利益が市場予想を上回ったほか、26年1月期通期の収益見通しを引き上げ、好感した買いが集まっている。
そのほかのダウ平均の構成銘柄では、スリーエム(3M)やボーイング、ベライゾン・コミュニケーションズが下げている。シェブロンとキャタピラーも安い。半面、ウォルマートやシャーウィン・ウィリアムズが高い。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発して始まった。
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