
中国人民解放軍は3日、北京で「抗日戦争勝利80年」を記念して大規模な軍事パレードを実施しました。軍のトップを兼ねる習近平(シー・ジンピン)国家主席はロシアのプーチン大統領、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記らとともに観閲し、中国の強大な軍事力を誇示しました。
健康不安説や、軍内の不満を抑え切れていないのではないかとの見方も出ていた習氏にとって、今回の軍事パレードはどんな意味があったのでしょうか。
解放軍の研究を専門とする青山学院大学の林載桓(イム・ジェファン)教授はラジオNIKKEIのポッドキャスト番組「中国経済の真相」に出演し、軍事パレードを見て「習氏の軍に対する権威の強さを改めて感じた」と語りました。
習氏は2012年に最高指導者の地位に就いてから、自身に軍の指揮権を一元化する改革を進めてきました。その結果、いまでは解放軍が制度的に習氏しか指揮できない「習氏の軍隊」になっているというのが林氏の見方です。
軍の最高指導機関である中央軍事委員会は現在、7人のメンバーのうち3人が事実上失脚するという異常事態にあります。習氏が軍を掌握できていない表れとの指摘もありますが、林氏は「習氏が強すぎるから(人事を自由にできるという)問題が生じている」とみています。この巨大な軍隊を動かせるのが習氏だけだとすれば、それは危険な状況かもしれません。
林氏の解説は以下のポッドキャストでお聴きいただけます。
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