シティグループはフレーザーCEOのもとで経営改革を進めている(ニューヨーク)=ロイター

【ニューヨーク=斉藤雄太】米銀大手シティグループは4日、資産運用最大手ブラックロックと新たな提携関係を結んだと発表した。シティが世界の数千人の富裕層顧客向けに手がける800億ドル(約12兆円)分の運用業務をブラックロックに移管する。

シティは現在、自前の運用部門「シティ・インベストメント・マネジメント(CIM)」で富裕層の顧客ごとのニーズにあわせた独自の投資ポートフォリオを設計・管理している。このCIM運用分をブラックロックに引き継ぐ。CIMのポートフォリオ・マネジャーなど一部社員もブラックロックに移籍する。

ブラックロックは上場株式や債券といった伝統的資産に加え、将来的にプライベート(未公開)資産も含めた多様な運用機会をシティの顧客に提供する。シティは富裕層向けバンカーによる長期的な金融目標の設定など相談業務を通じて顧客との関係を維持する。

米メディアによると、ブラックロックが運用報酬を受け取る一方、シティは助言などの手数料を得る。今回の契約に基づく取引は2025年10〜12月期から始める。

シティはジェーン・フレーザー最高経営責任者(CEO)のもとで肥大化した組織をスリムにする構造改革を推進している。今回の富裕層向けビジネスの合理化もその一環とみられる。

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