
【ニューヨーク=竹内弘文】米証券取引所ナスダックは8日、上場会社の株式を裏付けとするデジタル資産「株式トークン」を取引できるように規則を改定すると発表した。暗号資産(仮想通貨)と同じくブロックチェーン技術を用いるトークンは即時決済が可能とされる。将来的に仮想通貨のような年365日24時間の株式取引に道を開く可能性がある。
証取を管轄する米証券取引委員会(SEC)に規則改定を8日申請した。申請書類によると、株式トークンが原資産である株式と同じ株主の権利が保障されると見なされる場合に、通常の株式と同じ規則で取引できるようにすると規定した。SECの承認後、意見公募を経て実施する。
株式トークンで先行する事業者を追う狙いもありそうだ。
米ネット証券ロビンフッドは欧州在住の投資家向けに、エヌビディアやアップルといった主要上場株やオープンAIなど非上場株にひも付くトークンを取引できるサービスを6月末に開始した。米仮想通貨交換大手のコインベース・グローバルやジェミニも同様の取り組みに動いている。
先行事例の多くは、株式の発行企業の承認を得ずに勝手にトークン化したデジタル資産を売買対象とする。株式トークンを所有していても必ずしも元の株式を保有していることにはならず、混乱を生じさせかねないと批判が根強い。ナスダックは元の株式と同一の権利を保有するトークンのみ上場を認めることでこの問題を回避する。
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