人工知能(AI)技術を開発するフランスの新興企業「ミストラルAI」は9日、オランダの半導体製造装置大手ASMLなどから17億ユーロ(約3千億円)の資金を調達したと発表した。AI分野で世界をリードする米国に対して、欧州企業が連携して巻き返しを図る。

 両社の発表によると、ASLMはミストラルの株式の11%を取得し、筆頭株主になる。出資企業には米半導体大手エヌビディアも名を連ね、すでに欧州最大のAI企業であるミストラルの評価額は117億ユーロ(約2兆円)に上ることになる。

 ミストラルは2023年4月にパリで創業した。オープンソースの大規模言語モデル(LLM)と生成AI技術を開発し、欧州でも最も注目を集めるユニコーン企業の一つとして、マクロン仏大統領も期待を寄せる。

 アーサー・メンシュ最高経営責任者(CEO)は今年3月に配信されたスペイン紙エルパイスのインタビューで、「多くの企業が米国のテクノロジーに完全に依存しない戦略の必要性に気づいている」と指摘。技術的な自立性の確保に向けて、欧州に根ざした展開をめざすとしている。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。