ニューヨークのウォール街=遠藤啓生撮影

【NQNニューヨーク=稲場三奈】11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発して始まり、午前9時35分現在は前日比166ドル48セント高の4万5657ドル40セントで推移している。朝発表の米物価指標がおおむね市場予想通りだった。米連邦準備理事会(FRB)が来週の会合で利下げを決めるとの見方が一段と強まり、株買いが優勢となっている。ダウ平均の上げ幅は一時400ドルを上回った。

8月の米消費者物価指数(CPI)の上昇率は前月比0.4%と1月以来の高水準となった。前月(0.2%)から加速し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.3%)を上回った。一方、食品とエネルギーを除くコアは0.3%と、前月と市場予想に一致した。前年同月比は総合が2.9%、コアが3.1%といずれも市場予想と同じだった。

朝発表の週間の米新規失業保険申請件数は26万3000件と、市場予想(23万5000件)以上だった。CPIと併せて、市場では「コアCPIにサプライズはなく、労働市場は減速している」(CIBCキャピタル・マーケッツのアリ・ジャフェリー氏)との指摘があり、FRBの利下げを妨げる内容ではなかったと受け止められた。

FRBが来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げに動くとの見方が改めて強まり、米債券市場で長期金利は一時3.99%と、5カ月ぶりの水準に低下した。金利の低下も株式相場の支えとなっている。

個別では、セールスフォースやエヌビディア、ユナイテッドヘルス・グループが高い。スリーエム(3M)やキャタピラーも上昇している。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は4日続伸して始まった。

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