
【ニューヨーク=共同】国連総会(193カ国)は12日、パレスチナ国家樹立によるイスラエルとの「2国家共存」を支持する「ニューヨーク宣言」を日韓英仏など142カ国の賛成で採択した。イスラエルや米国など10カ国は反対した。総会決議に法的拘束力はないが、イスラエルや米国に対し2国家共存による平和的解決を求める国際社会の強い意思を示した。
22日には国連本部でパレスチナ問題解決に向けた国際会議が予定されている。会議当日やその前後にフランスや英国、カナダなどがパレスチナを正式に国家承認する見通し。日本や韓国などは2国家共存は支持するが、米国との関係も考慮しパレスチナを国家承認するタイミングには慎重だ。
採決前にイスラエルのダノン国連大使は「決議は(イスラム組織)ハマスが得するだけだ。恥を知れ」と批判。米国の代表も「決議はハマスへの贈り物。紛争終結に向けた外交努力を損なうタイミングの悪い売名行為だ」と反対を呼びかけた。
アルバニアなど12カ国は棄権した。宣言は7月に開かれた同様の国際会議でとりまとめられた。2国家共存による解決は、国際法の下でイスラエルとパレスチナ双方の願望を満たす「唯一の道」だと指摘。実現に向けて「具体的かつ期限を定めた不可逆的な措置を講じる」とした。
パレスチナ自治区ガザの戦闘終結を呼びかけ、イスラエルとパレスチナ自治政府の双方に2国家共存へ向けた交渉を再開するよう要請した。イスラエルにはヨルダン川西岸などでの入植活動を直ちに中止するよう訴えた。ハマスには武装解除とガザ統治の自治政府への移譲を求めた。
岩屋毅外相は12日の記者会見で、パレスチナ国家承認の是非に関し「適切な時期や在り方も含め、総合的な検討を行っている」と説明していた。
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