【NQNニューヨーク=戸部実華】15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前週末比49ドル23セント高の4万5883ドル45セント(速報値)で終えた。米国と中国が15日まで開いた閣僚級会議や米国の利下げ観測が株買いを誘った。一方、主要株価指数が高値圏で推移するなか、主力株の一部には利益を確定する売りも出てダウ平均の上値を抑えた。

米中両政府は14〜15日にスペインで4回目の閣僚級会合を開いた。関税問題に加えて中国発の動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業の売却などについて議論した。

ベッセント米財務長官は会合後に記者団に対し、売却を巡って「合意の枠組みが整った」と明らかにした。トランプ米大統領は自身のSNSで会合がうまくいったと投稿し、19日に習近平(シー・ジンピン)国家主席と直接話すとした。

米連邦準備理事会(FRB)は16〜17日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。市場は0.25%の利下げに動くと見込んでいるが、一部では0.5%と予想する声もある。利下げが米経済を支えるとの観測は引き続き株式相場の支えとなった。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、テスラが一時7%あまり上昇した。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が12日にテスラ株をあわせて約10億ドル相当取得したことが明らかになった。

グーグル親会社のアルファベットは初めて時価総額が3兆ドルに達した。ネット検索の独占を巡る裁判で事業分割を回避したことが好感されるなか、人工知能(AI)関連の収益期待からアナリストが目標株価を引き上げた。

もっとも、ダウ平均は小幅に下げる場面もあった。FOMC後に公表される参加者の政策金利見通し(ドットチャート)のほか、パウエル議長の記者会見が注目されている。主要株価指数が高値圏にあるなか、重要イベントを控えて主力株の一角には持ち高調整や利益確定の売りも出た。

ダウ平均の構成銘柄ではアマゾン・ドット・コムやアップル、マイクロソフトが上昇した。キャタピラーやIBM、ゴールドマン・サックスも高い。半面、スリーエムやマクドナルド、アムジェンは売られた。エヌビディアも安い。中国当局が15日に同社の過去のイスラエル企業の買収が独占禁止法などに違反したと発表した。初期段階の調査に基づいた判断で、中国当局はさらに調査を進めるという。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は6日続伸し、前週末比207.647ポイント高の2万2348.750(速報値)で終えた。6営業日連続で最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標にするS&P500種株価指数は11日以来となる最高値を更新した。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。