Q. 従来の保険証が無くなるということは、マイナ保険証の登録は絶対しなくてはいけなくなると理解すればいいですか?(京都府 はっぴーさん)

いいえ、マイナンバーカードの取得や、マイナ保険証の利用登録はいずれも任意です。では、従来の保険証が使えなくなったあと、どうすればいいのか整理してお伝えします。

マイナ保険証を登録していない人は、「資格確認書」を使うことになります。この「資格確認書」は、従来の保険証の代わりになるものでマイナンバーカードを持っていない人や、マイナ保険証の利用登録をしていない人に、当面の間、申請なしで自動で交付されることになっています。

ただ、この原則には例外規定がいくつかあり、マイナ保険証の有無にかかわらず、資格確認書が交付されるケースがあります。

▽国は移行期の混乱を防ぐためとして、75歳以上の後期高齢者医療制度に加入する全国のおよそ2000万人全員に資格確認書を発行しています。
75歳以上の皆さんには、これまでの毎年の保険証の更新と同じように、有効期限が切れる前に資格確認書が届いています。

▽自治体によっては独自の対応をとっているところもあります。
例えば、東京の渋谷区と世田谷区では国民健康保険の加入者全員に資格確認書が送られるようになっています。

▽マイナ保険証を持っている人でも、マイナ保険証での受診が難しい高齢者や障害がある人などには申請すれば、資格確認書の交付が認められています。

医療機関を取材すると、有効期限が切れたことを知らずに従来の健康保険証を持参する患者もいるということです。

制度の浸透にはまだ課題があります。

厚生労働省は、期限切れに気づかずに従来の保険証を持参する患者がいることが想定されるとして、来年3月までは有効期限が切れた保険証でも資格情報を確認できれば、保険診療で受診できる、と医療機関側に通知しています。

Q. 病院に行ったらマイナ保険証のカードリーダーが故障していて、従来の保険証を提示しました。もし今後、保険証の期限が切れていたら、どうすればいいのでしょうか?(群馬県 まるちゃんさん)

厚生労働省によりますと、医療機関のシステムエラーなどでマイナ保険証が使えない際は、まず、マイナポータルの画面などをマイナ保険証と一緒にスマホで提示すると保険診療を受けることができます。

それと、「資格情報のお知らせ」という書類などを一緒に提示しても保険診療が受けられます。

この「資格情報のお知らせ」は、マイナ保険証を持っている人が加入している健康保険組合や自分の保険者番号などを確認するための書類です。

現在、
▼会社の健康保険などの「被用者保険」の加入者には全員と、
▼「国民健康保険」でマイナ保険証をもっている加入者に交付されています。

Q. マイナンバーカードの右上に有効日が書いてありますが、電子証明書の有効期限と同じですか?(名古屋市 83歳のおばばさん)

まずマイナンバーカードの有効期限から確認します。

▽マイナンバーカードそのものの有効期限は10年です。
10回目の誕生日までに(未成年者の場合は5回目)、カード自体を更新する必要があります。改めて写真撮影なども行う必要があります。この有効期限は、マイナンバーカードの右上に印字されています。

▽また発行から5回目の誕生日までにもカードに搭載された電子証明書を更新する必要があります。電子証明書の有効期限は、カード自体の有効期限が書かれている欄の下に手書きで記入する場所があります。

どちらの更新も、本人確認を厳密に行うため、原則、自治体の窓口などを訪れる必要があります。

この更新を行わなかった場合オンラインでの手続きが行えなくなるほか、マイナ保険証の登録をしていた場合は、保険証としても使えなくなります。

ただ、厚生労働省に確認したところ、有効期限が切れていても、保険証としての機能は3か月間は使うことができるということです。

この3か月の間に更新されなかった場合は、各保険組合などから「資格確認書」が自動で交付されることになっているということです。

また、マイナンバーカードの発行を行う団体によりますと、期限が切れる2、3か月前に「有効期限の通知書」が入った封筒が届くということなので、確認して下さい。

Q. マイナンバーカードの電子証明書の日付の欄、ありましたが空白でした。空白の場合にはどうすればよいのでしょうか?(jasmine1102さん)

電子証明書の有効期限は、マイナンバーカードの右、印字されたカード自体の有効期限の下に手書きで記入する欄があります。

未記入の場合や、消えてしまっている場合は、マイナポータルにログインすれば確認できます。また、マイナンバーカードの有効期限から5年をひけば、おおよその有効期限を確認できます。

確認した日付を、マイナンバーカードにご自身で記入しておくとよいと思います。

Q. うっかりマイナ保険証に登録してしまった。元に戻す方法はないか?(神奈川県 kazumoさん)

デジタル庁によりますと、マイナンバーカードへの保険証の利用登録は解除することができます。

加入している保険組合などに申請が必要です。

たとえば、
▽国民健康保険であれば、お住まいの自治体の窓口で申請してください。
▽会社の健康保険に入っている場合はその健康保険組合などに連絡してください。

Q. マイナ保険証を高齢の方が使っていましたが、顔認証ができず、受付の方から「暗証番号でお願いします」と言われ、分からない!と言ってらっしゃいました。暗証番号は、その場で変更できますか?(わからんさん)

マイナ保険証の暗証番号は、マイナンバーカードを自治体の窓口で受け取った際などに設定した数字4桁のパスワードと同じです。

このパスワードは、マイナポータルにログインする際などオンラインの手続きを行う場合に使います。

厚生労働省に確認したところ、医療機関では変更できないということです。
変更したい場合は、自治体の窓口などでの手続きが必要になります。

Q. 2026年度にマイナンバーカードは廃止になり、新たなカードになるとの情報を聞いています。市役所に聞いても教えてもらえませんでした。本当に新たなカードになるのかわかりましたら教えてください。(群馬県 いがまっちさん)

はい。デジタル庁によりますと、国は「新たなマイナンバーカード」について、当初、2026年の導入を目指していましたが、現在は2028年度中の導入に向けて検討を進めています。

券面の性別の表記を削除するなどデザインも変わるほか、現在カードに搭載された電子証明書は5年の有効期限ですが、これを10年に延長する方針で検討しているということです。

マイナ保険証の、本格的な運用開始から9か月がたち、マイナ保険証を利用する人は徐々に増えています。

ただ、利用率の伸び悩みや、新たな仕組みの浸透に課題が残るなか、国は、移行期の暫定的な対応をたびたび示していて、もともとわかりにくい制度がより複雑さを増しています。

街で取材をしていても、この仕組みについていけていない人が少なくないと感じます。

引き続き取材を続けますので、皆さんからの質問や疑問こちらまでお寄せ下さい。

ニュースポスト

社会部記者
渡邉千恵
2019年入局 初任地は佐賀局
2024年から現所属
マイナンバーカードに関する問題を継続的に取材

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