
慶応義塾大学は19日、医学や生命科学の優れた研究者を表彰する2025年の慶応医学賞に、米エール大学の岩崎明子博士(55)と、米プリンストン大学のクリフォード・ポール・ブランウィン博士(47)を選んだと発表した。授賞式は11月4日に慶大信濃町キャンパス(東京・新宿)で開く。2氏には賞金1000万円がそれぞれ贈られる。
岩崎氏は新型コロナウイルスの後遺症の仕組みを解明した。コロナの後遺症は長期にわたって倦怠(けんたい)感や息切れなどが続き、世界的な課題だ。研究成果は将来の感染症対策やワクチン・治療法開発にも役立つ可能性がある。
免疫分野の第一人者で、エール大では最高位の教授に与えられる「スターリング教授」として活躍する。米誌タイムが2024年4月に発表した「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれ、注目が集まっている。
プリンストン大の教授を務めるブランウィン博士は均一だった液体が2つに分かれる現象が細胞内で起きていると見つけ、分離を人為的に操作する技術も開発した。得られた知見は医療に応用できると期待される。
慶応医学賞は1996年から始まり、今回は30回目に当たる。前回の2024年は同年にノーベル化学賞に選ばれた人工知能(AI)研究者の米グーグルディープマインドのデミス・ハサビス博士が選ばれるなど、後のノーベル賞受賞者に多数授与されている。
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