
ひとりぼっちを救うのは…(写真はイメージです) Levi Wedge-Unsplash
<ひとりぼっちになった黒猫は、すっかり元気をなくしていた。そこへやってきた小さな子猫。心配した飼い主は徐々に慣れさせようとしたのだが──>
黒猫のアストロは、仲良しだった猫と離れ離れになって以来、2階の寝室に引きこもっていた。そんな姿は見ているだけで辛かった。
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アストロは、飼い主のサンシャイン・イラーさん(22)がテネシー州ナッシュビルの保護団体から引き取った男の子。新しい友達を作るのが大好きで、家に連れて帰った最初の日からとても人懐こかったとイラーさんは本誌に語った。間もなくルームメートが別の猫を保護して飼い始めると、2匹はたちまち仲良しになった。
しかし、イラーさんがアストロを連れてこの夏、フロリダ州フォートローダーデールに転居すると、アストロの様子が変わってしまった。
「新居で暮らし始めると、アストロはほとんど何も食べなくなって、階下に降りてこようとしなくなった。遊ぼうともせず、いつも隠れているのもこの子らしくなかった。私の寝室から出ようとしないので、食事とトイレは寝室へ運ばなければならなかった」
そんな様子を見ているのが辛かったというイラーさん。アストロには友達が必要だと考えた。転居前はルームメートの猫と友達だったアストロが、ひとりを嫌っているのは明らかだった。
転居から2週間後、イラーさんはブロウォード郡の保護施設を訪れ、子猫のマーズと出会った。想定していた以上に小さな子猫だった。
「この子はまだ譲渡するには小さすぎるけれど、何週間か預かりをしてもらえれば、正式に譲渡できると告げられた。あまりにも小さかったし、アストロがどう反応するかも分からなかったので心配だったけれど、私がまだ仕事を探していた時だったので、時間はあった」とイラーさんは言う。
新しく預かった子猫を自宅へ連れて帰ったイラーさんは、最初の夜はアストロには会わせないつもりだった。アストロが転居以来の2週間、ずっと2階から降りて来ようとしないことは知っていたので、自分は子猫のマーズと一緒に階下で寝て、少しずつ慣れてもらおうと思っていた。
ところがその晩、イラーさんがマーズを胸の上に乗せて横になっていると、階段を初めて下りてくる黒い4本の足が目に入った。
「この出会いを止めた方がいいのかどうか分からなかったけれど、引き離しておくことでどちらも怖がらせたくなかった。アストロはマーズに近付くとすぐ、においをかぎ、それからマーズをなめ始めた。以来、この子はずっと階下にいて、ふたりはお互いがどこへ行っても付いていく」
マーズは今も1階の寝室で寝ているが、毎日朝になるとアストロがドアの前で鳴いてイラーさんを起こし、中へ入れてほしいとせがむ。
家に来たばかりのマーズは耳の中が泥だらけだったそうだ。そこでできる限りの耳掃除をすると、「あとはアストロがやってくれた」とイラーさんは冗談交じりに話す。アストロはものすごく面倒見が良く、マーズの父親そのものだった。
幸せを取り戻し、愛情たっぷりに子猫の世話をしてくれるアストロを見ていると心が和むとイラーさん。アストロはマーズを口にくわえて毛布の上まで運び、前足で抱っこしながらきれいに毛づくろいして、一緒に遊んでやる。マーズがアストロの真似をしてどこへでも付いていく一方で、アストロも常に「注意深くマーズを見守っている」という。
「ふたりが一緒にいるのを見ているととても幸せ。ふたりはずっとくっ付いていて離れない。私は全然仕事が手に付かなくなってしまったけれど」とイラーさんは嬉しそうだった。
マーズの成長は順調で、体重があと400グラムほど増えれば、イラーさんは正式に里親になれる。
マーズの父親になってかいがいしく子育てするアストロの動画をイラーさんがTikTok(@wowcoolokaywow)とインスタグラム(@halloweenkittties)に投稿すると、たちまち注目の的になった。一緒に暮らし始めて2日目に撮影された動画はTikTokで180万回以上再生され、55万件を超す「いいね!」が集まっている。
マーズとアストロの仲良し動画がもっと見たいという声も多く、わずか数日で寄せられたコメントは3000を超えた。
ユーザーからは、「奥さん、あれは彼の息子ですよ」という冗談コメントや、「母親役を買って出た」「彼は前世でママだったんだよ」などのコメントが書き込まれている。
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