
ノーベル生理学・医学賞に選ばれた坂口志文・大阪大特任教授の研究は、1型糖尿病の治療に道を開く可能性があり、患者らにとっても朗報だった。
患者らを支援する認定NPO法人の「日本IDDMネットワーク」(佐賀県)会長の井上龍夫さん(73)は「すごくうれしく、誇らしい」と喜んだ。
1型糖尿病は、自己免疫疾患などが原因でインスリンを分泌する細胞が破壊される病気。インスリンの自己注射が必要になる。
井上さんの息子も7歳で1型糖尿病を発症。患者の家族として1型糖尿病に向き合ってきた。
NPO法人では、1型糖尿病に関する研究者らをたたえる賞を設けており、6年前に坂口さんを選んだ。井上さんは、研究の内容を丁寧に説明する坂口さんの姿をよく覚えており、「落ち着いた感じの研究者」との印象が残ったという。
井上さんは今回のノーベル賞決定を受け、「自己免疫のメカニズムが解明されれば、いろんな医薬品の開発のほか、さまざまな治療法にもつながってくる。坂口先生を含めてオールジャパンで頑張ってほしい」と期待を語った。【砂押健太】
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