香川と岡山の島などを舞台とした3年に1度の現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭2025」が開かれている。11月9日までの秋会期には、今回から新たに宇多津エリア(香川県宇多津町)が加わった。春、夏、秋会期と続いた瀬戸芸も最終盤となる。瀬戸内の文化や暮らし、景観などに刺激を受けて制作された独創的な作品を紹介する。
EAT&ART TARO「エイリアンフード 島の外来種」
「島の食べ物は使っているんですか」と、しばしば来島者に尋ねられるが、小さな島の食料を食べ尽くすようで「暴力的」ではないか。そんな問題意識から、島の外来種をカレーの食材として提供することを考えた。
食をテーマに活動する現代美術作家、EAT&ART TAROさん。2019年の瀬戸内国際芸術祭では、女木島(高松市)のレストランを担当した。今回は高見島(香川県多度津町)にある廃校になった小学校で、外来種約28種類を使った「エイリアンカレー」を提供する。外来種も来島者もエイリアンというわけだ。
カレーには、なじみは深いが日本の原産でないオクラやナスなどがトッピングされている。島で採れた北アメリカ原産のキク科の植物セイタカアワダチソウのソースをかけて完成だ。お茶とカレーのセットで1500円(税込み)。
食事場所の一つになる図書室では外来生物の図鑑や、島で調査した外来種の一覧表も展示している。「多くの人が来てくれるのなら、地域の役に立つものを食べてほしい。そうしたらお互いが幸せになれる」
高見島(香川県多度津町)【アクセスと営業時間】
多度津港からフェリーで約25分。本島(丸亀市)、粟島(香川県三豊市)を結ぶ船もある。カレーの提供は午前10時10分から午後3時まで。無くなり次第終了。
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