
相手が何でも察してくれるという過度な期待が破綻を招く ILLUSTRATION BY FGC/SHUTTERSTOCK
<恋愛映画やソーシャルメディアが描くイメージは非現実的すぎる。甘美な夢に惑わされないための「現実的な」対処法──>
愛は永遠──なんて言い出したのは誰? そんな話を信じるのは恋愛映画の見すぎか、自己啓発本の読みすぎ。あるいはSNSに惑わされたか。いずれにせよ、甘美な夢は長く続かない。だからこそ雑誌には人生相談のページがあり、世の中には結婚・家庭生活専門のセラピストがいる。
キーラ・ボグダノビチもその一人。彼女によると、今の時代には結婚生活を破綻に導くいくつかの神話がある。
🩷 🩷 🩷まずは「結婚生活に努力は無用」の神話。でも実際には「長期のパートナーシップに不和が生じるのは不可避」であり、「大切なのはそれにどう対処するか」だ。
2つ目は「言わなくても分かるでしょ」の神話。とんでもない。夫婦は他人、口に出してこそ思いは通じる。必要なのは「読心術ではなくコミュニケーション力」だ。
そして最後は「ハネムーン期間は永遠」の神話。現実には、時間がたてば「どんな関係にもほころびが生じる」。
カップルセラピストのジョディ・リンデも、最悪なのは「愛があるなら直感で、そうでなくても、こちらの心を読んで動いてくれるはず」の神話だという。これを信じていると双方に不満がたまり、いずれどこかで爆発する。
なぜそんな神話に惑わされるのか。恋愛を理想化し、ロマンチックに描きたがる文化のせいだ。ボグダノビチによればそのせいで相手への過大な期待が生じ、「恋愛がファンタジーと化し現実との落差が生じる」。
しかも今の人は結婚で得られるものばかり考えて、結婚によって生じる互いの責任を忘れがちだ。そういう自己中心的な態度だと、健全な関係を築くには努力が必要という気付きが得られない。
ちゃんと言葉で伝える
リンデは、多くの人が「パートナーは自分のニーズを察してくれるはず」という神話にしがみついて人生を無駄にしていると指摘した。
「私のパートナーも読心術は苦手。だから彼には、何度も何度も『私という女の取扱説明書』を読ませている。自分には何が必要かを、言葉ではっきり伝える。その能力が結婚生活には欠かせない」
持続可能で壊れにくい家庭を築くには、ひたすら現実的で思いやりのある態度で相手に接する必要があるらしい。ボグダノビチに言わせると、まずは相手に完璧さを求めるのをやめて、「互いの人間らしさや欠点を受け入れ、意見の対立を共に乗り越える術を学ぶ」こと。
一方でリンデは、「とにかく自分のニーズを口に出して伝えてみなさい」とアドバイスする。「そうすれば、きっと相手はあなたの願いを聞いてくれる」
ただし「パートナーに全てを期待するのは禁物」だとボグダノビチは言う。どんなに優しい彼/彼女にも足りない部分はある。だから「そこのところは友達付き合いや趣味、地域活動や生涯学習とかを通じて、家庭の外で満たすようにするといい」。
そして大事なのは、外で得られた充実感を2人の関係に「持ち帰る」こと。ボグダノビチによればそうすることで人は与えることも受け取ることも上手になっていく。そう、結婚生活もギブ・アンド・テイク。その精神を忘れずに。
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