子育て世帯を呼び込むため、学力向上の施策に注力する方針を示す武内市長=北九州市小倉北区で2025年10月16日午前10時17分、山下智恵撮影
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 北九州市の武内和久市長は16日の定例記者会見で、90万人割れ目前の市の人口減少を緩やかにするため、就学年齢の子どもたちの学力向上施策を充実、強化して子育て世帯を呼び込むことを目指す方針を明らかにした。2024年に60年ぶりの増加に転じた転入から転出を引いた社会動態増の維持、強化を狙う。

 市の人口は9月1日時点で推計90万494人(前年同月比7885人減)で、1963年の市制開始以来、初の90万人割れが迫っている。79年に約107万人の人口ピークを迎えたが、65歳以上の人口割合を示す高齢化率が2020年で政令市1位の31・7%と全国の政令市の中で1位。自然減に歯止めがかかっていない。一方で24年の社会動態は前年比で492人増。

 武内市長は社会動態増を維持拡大するためには雇用・医療・教育の充実が必要と見解を明らかにした。中でも市が全国学力・学習状況調査で全国平均を下回っていることもあり教育で改善の余地が大きいとした。

北九州市が作成した出生数や死亡数、社会動態を示したグラフ=北九州市提供
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 具体的には、人工知能(AI)の活用と読書の強化▽体験機会の強化▽脱・暗記重視――を取り入れる。AI型学習アプリの導入で個人に対応した学習ができるよう目指し、AIを使いこなす読解力強化として読書の推進にも取り組む。

 市総務課によると今年は10月に国勢調査があるため、毎月の推計人口の更新が止まる。90万人割れか否かが判明するのは、国勢調査の結果が公表される26年5月ごろ。【山下智恵】

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