絶滅の恐れのある希少種の国際取引を規制するワシントン条約の事務局は15日、欧州連合(EU)などが提案したニホンウナギを含む「ウナギ属」の全種を輸出規制の対象とする提案について「採択を勧告する」との最終評価を公表した。提案は11~12月にウズベキスタンで開かれる締約国会議で諮られ、投票国の3分の2以上が賛成すれば採択される。日本でウナギの価格が上昇する可能性もある。
EUなどは、ヨーロッパウナギを保護するため、外見が似ているニホンウナギを含む「ウナギ属」の全種を規制対象とするよう求めている。対象には稚魚や成魚だけでなく、かば焼きなどの加工品も含まれる。
ヨーロッパウナギは、現時点で絶滅の危険が高くはないものの、取引を厳重に規制しなければ絶滅の恐れがある種を対象にする「付属書2」に掲載されており、科学的な見地などに基づいた許可書の発行が輸出国に義務づけられる。
日本の水産庁によると、日本は昨年のウナギの国内供給量の約7割を輸入に頼っており、この提案が採択されれば流通量や価格に影響が及ぶ可能性がある。水産庁は「全力を尽くして締約国に理解を求めていく」としている。
一方、EUが求めたニホンウナギとアメリカウナギのみを対象にする規制案については、事務局は提案を却下した。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。