小雨まじりの古都の秋を「動く歴史絵巻」が彩った。京都三大祭りの一つ、時代祭が22日に京都市であり、約2千人の行列が京都御苑から平安神宮まで進んだ。今年は130年の節目。約4万3千人(京都府警調べ)が訪れ、千年の都の歴史や文化に魅了された。

時代祭は1895年に始まった。平安遷都1100年を記念して平安神宮が同年に創建されたのを祝った祭りだ。794年の10月22日に桓武天皇が平安京に入ったとされ、この日に時代祭が開かれている。
行列は全長約2キロにわたり、明治維新から平安時代にさかのぼる形で進んだ。衣装や祭具は厳密な時代考証に基づいてつくられているのが特徴で、今年度は88点を新調し、220点を補修した。

行列のうち、紫式部や清少納言らが加わる「平安時代婦人列」には、京都五花街の一つ、宮川町の芸妓(げいこ)たちの姿があった。
よろい姿の巴御前(ともえごぜん)を務めたのは、とし純さん。巴御前は木曽義仲と戦に参加したとされ、武勇で知られる。京都出身のとし純さんは「強く生きていきたいと思った。時代祭に出たくて芸妓になりたいと思っていたので、すごくうれしい」と笑顔をみせた。
源義経の母・常盤(ときわ)御前に扮したのは、君翔さんだ。出発前の京都御苑では、とし純さんとカメラに収まっていた。君翔さんは「(130周年の)記念のお祭りなのできばりとおす」と話した。

「江戸時代婦人列」の吉野太夫は名妓(めいぎ)として知られた。その役を務めたのは京都出身で、早稲田大准教授の笹山尚子さん。6年ぶり3回目の参加となった。
これまでは2回とも「和宮の女孺(にょじゅ)」に扮し、吉野太夫役は初めて。「吉野太夫は歌や踊りを学び、教養と芸事を身につけた江戸時代の女性。その優雅さを少しでも表せたら」と出発前に意気込んだ。
吉野太夫の衣装は今年補修され、足元などが新たに整えられた。平安神宮まで約2時間かけて歩いた笹山さんは「きれいになった衣装を着て、新しい歴史のスタートを感じます。多くの観客に見ていただけてよかった」と話した。








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