猫が車にはねられる事故は後を絶たない(写真はイメージです) Li Lin-Unsplash
<サンフランシスコの住民に愛されていた商店の看板猫が、ウェイモの自動運転タクシーにはねられて命を落とした。この事故にテスラCEOのイーロン・マスク氏が反応している>
9歳の猫のキットカットは、サンフランシスコ市内の雑貨店「ランダズ・マーケット」で暮らしていた看板猫。店長によると、10月27日にウェイモの自動運転車にひかれて死んだ。
【写真】人気者の猫がウェイモの自動運転車にはねられ死亡...住民に衝撃、イーロン・マスクも反応
アメリカでは自動車事故で動物が死ぬことは珍しくない。しかしこれまでのところ、運転手のいない自動運転車(ロボタクシー)がそれほど大きな問題になったことはなかった。車にはねられて死んだ猫に関する公式統計は存在しないものの、ペット関連ブログなどに掲載された情報から判断すると、年間数百万匹に上る可能性がある。アメリカの主要都市を走る自動運転車は今後増加が予想され、今回の事故をきっかけに安全性を懸念する声が噴出している。
ランダズ・マーケットの店長はKTVUの取材に対し、猫のキットカットが死んだことを確認した。店長はけがをしたキットカットを連れて病院に駆け込んだものの、命を救うことはできなかったという。
ウェイモの広報は本誌に寄せた電子メールでこうコメントしている。「私たちは地域社会の信頼と安全を最優先課題としています。乗客を乗せるために停止していた当社の車が発進しようとした際に、近くにいた猫が車の下を走り抜けました」
この事故について、テックとAIをテーマとするXアカウントの「Whole Mars Catalog」は「米国では年間540万匹の猫が車にひかれ、そうした猫の97%が死ぬ。自動運転はその数を激減させるだろう」と書き込んだ。
マスク氏はこの投稿に「その通り。たくさんのペットが自動運転によって救われる」と返信している。
理論的には、自動運転車は動物を検知するとすぐに停車や減速ができるとされ、従って衝突件数は減る想定だ。
自動運転タクシーを運行しているウェイモは、グーグルの親会社であるアルファベットの子会社。
自動運転技術についてはテスラやウーバーも、長期的な成長戦略の中心として、さらには投資家にとっての魅力を高める目的で、競ってテストや実用化を進めている。
ウェイモの広報は本誌に寄せた電子メールで「猫の飼い主と、この猫を愛していた地域住民の皆様に心よりお悔やみ申し上げます。彼に敬意を表して地元の動物愛護団体に寄付します」と表明した。
非営利団体センティエント・フューチャーズを創設したコンスタンス・リー氏は、「これがまさにアルゴリズムの偏りだ。今週初め、サンフランシスコ・ミッション地区で愛されていた猫のキットカットがウェイモにひかれて死んだ。目撃者によると、ウェイモは『止まろうとさえしなかった』」とXにポストした。
コンテンツクリエーターのジェイク・ガゲイン氏はXにこう書き込んでいる。「あまりにも悲しすぎる。サンフランシスコでウェイモの自動運転車が9歳のキジトラ猫をはねて死なせた。目撃者によると、ロボタクシーは制動も回避もせず、猫を縁石に押し付けた。ランダズ・マーケット前で営まれた追悼式には数千人が集まり、サンフランシスコの人気者だった猫の死を悼んだ。キットカットよ、安らかに」
事故現場近くの歩道にはキットカットの記念碑が設けられ、写真の前に花やキャンディが供えられている。
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